ZEHとの相性がいいCO2排出量の少ない自然素材
新潟市中央区鳥屋野南のモデルハウスは、天然木と漆喰を用いた、意匠にこだわる家ですね。自然素材と新潟県版雪国型ZEHとの相性はどうなんでしょう?
竹村さん: 雪国型ZEHというと性能や数値面のイメージから、メカニックなものと捉えられるかもしれません。でも実は、そう難しいものでもないんです。当社ではずっと、地域の林業が豊かになればと思い、新潟県産材をメーンに使用してきました。その素材感に加え、日差しを遮る設計や風通しを良くする間取りなど、自然の力を利用したパッシブデザインを取り入れ、断熱性能や気密性能を追求してきました。そもそもCO2排出量の少ない天然素材は、ZEHとの相性が良いのです。
ZEHは「ノモトホームズの家づくり」の延長線上でもある、と。
竹村さん: はい。昨今の電気代の高騰や、カーボンニュートラルに向けた国の取り組みもあり、持続可能な家づくりに再度注視しています。ノモトホームズの家は標準仕様でUA値(外皮平均熱貫流率)は0.34、気密性能はC値(相当隙間面積)0.5以下を目指しています。実際、このモデルハウスはC値0.2となっています。
雪国型ZEHを超える仕様ですね! 太陽光発電に関してはいかがですか?
竹村さん: 今回のモデルハウスには4.08kWの太陽光パネルを搭載していますが、お客様には発電量5kW以上の太陽光発電で、その家に合った一番コスパの良いものをお勧めしています。日照時間が少ないといわれる新潟県でも、太陽光発電は建設から十数年で設備費を回収できますし、今後の電力単価の上昇をみれば電気代の節約に十分メリットはあります。ただ発電量を優先すると屋根形状が片流れの単調なデザインになりやすいので、建物の外観と街並みとのバランスなどを吟味して、屋根のデザインと発電量を検討していきます。
1台のエアコンで1年中快適な室温を実現
こちらのモデルハウスは、玄関でも室温24度と暖かいですね。暖房機器はどこにあるんですか?
竹村さん: 和室の収納スペースの床下に普通の壁掛けエアコンを設置(通称:床下エアコン)し、各所の床ガラリから暖気を送り込んでいます。そのためフローリングの床が、まるで床暖房をしているように暖かいです。この家は延床面積が37坪ですが、吹抜から暖気も2階へ上がりますので、全館、この14畳用エアコン1台(24時間連続運転)で2階の各部屋も暖まる仕組みです。
一方の冷房はどこに?
竹村さん: 2階の小屋裏に10畳用のエアコンを設置し、天井ガラリを通して2階から1階まで全館冷房を行っています。1年を通して、エアコン1台の稼働で全館空調を行える家となっています。
リビングは南側が大開口サッシになっていて、明るいですね。そしてこちらも、十分に暖かい。
竹村さん: モデルハウスの窓には、トリプルガラスと複層ガラスの樹脂窓を、適所に配しています。またハニカム構造のブラインドを設置することで、もう一枚ガラスが備わったような効果が得られます。冬場でも天気がいい日はこのように、断熱性能を上げることで日射だけで室温が上がり、自動運転の床下エアコンが休止して省エネにつながります。
+αの設備で快適性をさらに上げているんですね。
竹村さん: 従来、ヒートショックが起きやすいと言われる脱衣室にも床ガラリがあり、他の部屋と同じ温度に保たれていますし、風呂場の床にも暖気が通っています。また脱衣場の床下には熱交換型の第一種換気システムを設置。快適な温度に保たれた室温を回収しながら空気を入れ替えますので、省エネ効果があります。
熱交換で冷暖房を補助し、もっと省エネに。
竹村さん: 快適さと、自然素材の良さをミックスした家です。県産材の大きな梁や、樹種によっても変わるフローリングの足ざわりも、ぜひ確かめに来てください。