世界で最も厳しいとされるドイツ発祥の高性能建築認定制度「パッシブハウス」。その基準を長岡市で実現したモデルハウス「長岡パッシブハウス」が池田組によって建てられました。
池田組専務 池田雄一郎さん(以下同):「パッシブハウスは、ドイツ発祥の高性能建築認定制度で、環境先進国のヨーロッパやアメリカをはじめ、各国で共通の指標として使われており、世界で最も厳しい省エネ基準と言われています。家自体の断熱性能をしっかりと高めることで、電気や機械の力に頼りきることなく、1年中快適な暮らしを実現できます」
住宅の断熱性能・気密性能を高めるために工夫された部分を教えてください。
「室内の温度を一定に保つための熱交換換気システムに加え、方角に合わせて性質の異なる窓を採用したり、熱が簡単に通り抜けてしまう『ヒートブリッジ(熱橋)』をなるべく減らしたりと、細部にまで工夫を凝らしています。たとえば、窓のサッシにもさまざまな種類がありますが、アルミ製のものより樹脂製、木製のものの方が熱伝導率が低く、熱を逃しにくい特徴があります。こちらのモデルハウスは樹脂製・木製サッシの採用はもちろん、さらに、開口の大きな南側のサッシ部分を覆うように外断熱を施し、断熱効果がより機能するように設計しています。外気の影響を受けにくいため、カビや結露の発生が抑えられ、家の老朽化を防げるのもポイントです」
吹き抜け部分も入れて約64畳分ある全室の冷暖房を、夏季•冬季各1台でまかなえるというのは本当ですか?
「はい、本当です。夏用エアコンは家の一番高い位置にある屋根裏に、冬用エアコンはリビング階段の下に設置しています。効率のよい空気の巡り方を考え、随所にスリットを設けることで、少ないエネルギーでも快適な室温を保つことができます。高断熱住宅は家の中の温度差が少ないので体にかかる負担が少なく、『冬でも快活に過ごせる』『風邪をひきにくくなった』とお客様から好評です」
屋内と庭をつなぐような縁側も素敵です。こちらにも省エネ性能に関わる工夫が施されているのでしょうか?
「パッシブハウスはドイツ発祥の認定基準ですが、日本で実現する以上、その土地の風土や日本建築の伝統も両立したいと考え、空間に広がりを生み出す縁側を採用しました。庭のある南側には深い庇を設けることで、夏の高い日差しを遮っています。特に熱さが厳しい時期には、収納式のアウターシェードを下ろすこともできますよ。電気の力を借りるのではなく、まずは物理的に遮断する構造がエコ住宅には重要だと考えています」
機能性と日本建築の伝統を兼ね備えているからこそ、居心地のよい空間になっているんですね。
「屋根には安田瓦を、障子には小国和紙を使っています。こちらはモデルハウスですから、実際に目で見て、触れていただくことで家づくりの参考になれば幸いです。これからも新潟の優れたものを取り入れながら、この土地の暮らしに合った高性能で上質な住まいを提供していきたいです」
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会社データ
LOCAL LIFE STANDARD(池田組)(長岡市)
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