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レルヒさんの取材日記

楽しい野遊びから環境保全へ。

インタビュー・株式会社スノーピーク 総務本部長 山井多香子さん

株式会社スノーピーク
新潟県三条市に本社を置くアウトドアの総合メーカー。2011年、同市に直営のキャンプ場をオープンしたほか、北海道や四国、九州にもキャンプ場を展開。COを排出しない、環境に優しいキャンプ場の運営や製品作りに努めています。

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「今回ハ今ミンナガ使ッテル、てれび会議しすてむデ取材シテミルゾ……キコエテル?」
山井さん:レルヒさん、聴こえているけど、画面に顔が半分しか入っていないわよ~(笑)。

苦戦の末、ようやく画面に収まったレルヒさん


「すのーぴーくデハ、10年以上前カラ太陽光発電ニ取リ組ンデイルンダネ?」
山井さん:ええ。直営キャンプ場を併設している本社社屋に、1.5m×1mの太陽光発電パネル240枚を設置したのは2011年。スノーピークではキャンプ初心者や小さな子どもたちにも優しい、設備の整ったキャンプ場の運営を目指しているの。そのため、お湯が使える炊事場やシャワーなども設営し、その電力の一部を太陽光発電でまかなっています。また、2021年には、四国や九州ほか全国にある10か所の主要拠点と直営キャンプ場の電力を、「みんな電力」という再生可能エネルギー事業(※1)を使って、CO排出量ゼロの自然エネルギーに切り替えました。この「みんな電力」は、「顔の見える電力」として全国各地の“電気の生産者さん(発電所)”から電力を直接調達していて、スノーピークではその事業に賛同し、地元三条にある三条保内発電所(SGETグリーン発電三条合同会社)から電気を購入しています。
「誰ガ、何ヲモトニ作ッタノカガワカル、〝顔ノ見エル電力〟ナンダネ

※1/株式会社UPDATERの事業

スノーピーク本社の屋上に設置されている太陽光発電パネル


「えこナ取リ組ミヲハジメタ、キッカケハナニ?」
山井さん:それはやはり、自然を守りたいからなの。私たちは仕事を通して、キャンプや野遊びが人々の情緒を豊かにし、人間性を回復させられることを知っています。人々にとって健康的でより良い未来をつなげるために、環境保全はとても大切。だから自社だけでなく取引先の工場にも、自然エネルギーの電力を使うよう協力してもらっているの。

広大な自然の中に広がっている本社併設のキャンプ場 Snow Peak Headquarters


「タクサンノ会社ト、たっぐヲ組ンデイルンダネ」
山井さん:スノーピークでは電気の他にも、洋服の再利用に取り組んでいるの。例えばダウンジャケットに使う「羽毛」ね。日本国内で安定的な羽毛製品の供給を行う団体(※2)の活動に参画し、スノーピーク直営店でダウン製品を回収。その羽毛を使い、新しいダウン製品の開発・販売をしています。また、繊維リサイクルを推進している企業(※3)とも連携し、店頭で回収した衣類やテントからポリエステル繊維をつくり出し、それを使って再び服をつくる。これらは水平リサイクルといって、今、世界的に問題になっている衣類や繊維の廃棄量削減に、少しでも役立ちたいという取り組みなの。同じように、別の繊維会社(※4)とも協業してコットン(木綿)製品を回収、破砕して繊維に戻したものを糸や生地に再生し、新たな製品として販売しています。

「環境保全ノタメニ、イロンナ技術ガ開発サレ、活用サレテイルンダネ」
山井さん:モノが壊れたとき、買いかえずに修理を繰り返して何年も使えば、環境への負担も軽減するでしょう。スノーピークでは大量生産・大量消費ではないビジネスを実現するため、アウトドア関連の商品は永久保証にし、いつでも修理を受け付けているんですよ。

※2/一般社団法人Green Down Project
※3/日本環境設計株式会社
※4/タキヒヨー株式会社

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「すのーぴーくデハ、森林保全モシテイルノ?」
山井さん:レルヒさん、よく調べてきましたね。それは「Snow Peak Green Program」といって、カード会員限定企画なの。お客様がテントやタープ、シェルターを購入すると、売上の一部が森林整備・管理費用として活用される仕組み。会員さんはスマホやPCから、自分が守った森林の広さを確認することもできるんですよ。

「会社ダケジャナク、オ客サンノ協力モ大キインダネ」
山井さん:皆さん自然を愛しているだけに、スノーピークの取り組みにも関心が高く、快く協力してくれます。そんな姿を見ると、私たちももっと身近でわかりやすい方法で、持続可能なアウトドア体験をお勧めしなければと思いますね。

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「ドンナ伝エカタガアルカナ~?」
山井さん:実はね、2021年の10月に開催した感謝祭では、自転車をこいで発電するゲームを行ったんですよ。

イベント時の様子。緑色のものが自転車でペダルを漕ぐことで発電される


「エ、自転車デ電気ヲ!?」
山井さん:そう、自転車で発電した電力でガチャガチャを回すのだけれど、かなり頑張ってこがないとダメ。大人も子どもも大盛り上がりで、「電気というのは使うのは一瞬だけど、作るのは本当に大変だね」と実感してもらえました。スノーピークではこんなふうに、みなさんと一緒に笑顔で楽しみながら、豊かな自然を育んでいけたらいいなと思っています。

「山井サン、すのーぴーくノふぁんニナッタヨ」と大満足なレルヒさん
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