雪国型ZEHはSDGsにも貢献
現在建てているのは100%、ZEHだそうですね。
西脇建設 営業 峯村悠太さん(以下同):きっかけは、ゼロ・エネルギーに興味のあるお客さんとの出会いでした。もともと性能を重視した家を建てていましたが「これからはゼロ・エネルギーがもっと注目される」と2017年に一棟目を建て、会社として積極的に取り組み始めました。そのお客さまにご協力いただいて、入居以来、データを取り続け、エネルギーがプラスマイナスゼロになることが証明できた。それを、当社が続けている勉強会「家づくり教室」で発信すると、どんどん賛同者が広がって。これまで60棟以上のZEHを建て、2020年以降、毎年ZEH率100%となっています。
「家づくり教室で性能の大切さを知った」
建築主のWさん:私たちもその勉強会に行って高気密高断熱の大切さ、さらにこれから温暖化で温度が上がっていくことを考えるとますます必要性が高まるという話を聞き、エネルギーがプラスマナスゼロになるZEHにしようと決めました。さらに新潟県の基準である雪国型ZEHにすると補助金が出ると分かって雪国型に、と。雪国型にすれば、性能も担保されるという安心感もありましたね。
W邸は、基準をはるかに上回っていたとか?
峯村さん:C値は0.25、UA値は0.22です。当社としてはC値0.2が標準になっています。国のZEHが規定しているのはUA値だけですが、雪国型ZEHは気密を表すC値も条件になっているのがすばらしい。C値とは、住宅にどれだけ隙間があるかを示すものですが、数字が小さく隙間が少ないほど、計画通りの換気ができることにもなる。日本の住宅は実は新築してすぐに壁の中にカビが生じてしまうという事実がありますが、それは換気がきちんとなされていないから。空気が留まり、結露がカビを発生させるのです。当社が標準とするC値0.2はすなわち、ちゃんと計画換気ができ、長持ちする家になるということ。これはSDGsの観点からも評価されるのではと思います。
「24時間つけっぱなしで以前より格段に安くなりました」
Wさん:ZEH基準をクリアする家にしてほしいと思ってお願いしましたが、それ以上にしていただいたことはありがたかったですね。実際に住んでみると、引っ越した3月、上越はまだ寒いんですがめちゃくちゃ暖かかった。入った瞬間に暖かくて、それが家じゅうどこにいても変わらない。土間も、仕切りなくつながるLDKも2階も、26坪の面積をエアコン一台でまかなっています。さらに驚いたのが電気代。24時間つけっぱなしでオール電化にも関わらず、ガスなども使っていたアパートよりも電気代が安くなりました。
発電と蓄電を組み合わせることで、さらなるメリット
太陽光パネルと蓄電池も採用されていますね?
Wさん:5.92wのパネルを載せました。晴れた日にはだいたい5kwを蓄電池に貯めることができ、これを夕方以降、使って過ごしたり、余った場合には売電しています。意外だったのは、曇りの日でも電気がつくられること。時には売電できるほどにもなり、期待以上でした。これまでのデータを見ると、使った電気より売った電気の方が多い。冬になるとプラスマイナスゼロになるというのが西脇建設さんの試算です。
峯村さん:県内では「冬は発電するの?」というイメージが先行して、業界内でも太陽光パネルを載せることに消極的な方もいます。でも、決してそんなことはない、雪国でもZEHは可能だし有効だと伝えたいですね。冬の曇天でも発電すること、年間を通した発煙量は関東と変わらないこと。さらに言えば、雨の多いことは発電にプラスに働いて、チリやゴミを洗い流すというメリットもある。雪の落とし方や設置に対するお客さまの不安も、設計で解消できるので、まずは正しく知ってほしいですね。
「寒暖差のある雪国だからこそ、薦めたい」
Wさん:これからのことを考えると、話題になっているように、太陽光パネルのメンテナンスや交換コストは気になっています。ただ西脇建設さんはZEHの実績が多いので、前例に照らしつつうまく対応してくださるだろうと思っています。
新潟県は寒暖差が激しく雪もたくさん積もりますが、雪国型ZEHなら家の中では一年中快適、しかも光熱費を抑えて暮らせる。初期費用が気になる方もいるでしょうが、数年で回収できると聞いていたので納得した上で選ぶことができました。
峯村さん:妙高市では、断熱性能に対して段階的に補助金を上げるなど、県以外の自治体が高性能を後押しする動きも出てきています。雪国型ZEHが、高性能な家を選ぶきっかけにもなるといいですね。
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